医療法人 メディカルフロンティア

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蔵出し医療談義(3)  =リハビリ巷談=

09月17日
現代医療の分野で、若い医師達が手っ取り早く安易に取り組みがちな領域は、救命救急医療であろうことが、かねてより周知の現象ではありましたが、ダイナミックな医療行為として若者のモチベーションを掻き立て易く、華のある(?)領域だというと、些か語弊のあるところではあります。医療技術の素養を磨くための経験則としては、最初に手早く取っ付き易い側面があるのだと思われます。八戸の救命救急医療の現場にもそうした傾向がみられ、若い医師が集まり易い環境をもつ医療機関の活動によって、救急医療が支えられています。この分野だけに医師としての生涯を全うし続けながら、後進の育成に時間を捧げる方も蔓延る世相で、かなりの体力勝負と忍耐を強いられて、消耗・疲弊してしまいがちな実情からすると、重症化するに至らぬ対応を備えとする予防医療の概念を志向する進路とてまた、必然の流れだといえるでしょう。併せて重篤な傷病後の社会復帰を図るために、リハビリテーション医療の分野が、近年(ここ十数年来)、俄に脚光を浴びるようになって以来、スタッフ(セラピスト)数も急速に増え続けてきました。学術的にも重要視されつつ、諸説飛び交う環境下で、非常にクローズアップされる潮流が助長されてきています。

 リハビリ自体の内容としては、身体機能の障害(脳卒中・外傷・重病後廃用等)に対する理学療法(PT)や手指機能&姿勢保持を訓練する作業療法(OT)及び言語機能や嚥下機能の回復・化を図る言語聴覚療法(ST)等々の訓練領域が一般的(総合リハビリと称す)ですが、この三分野の狭義の名称に留まらす、脳機能の活性化を図る脳リハビリや日常生活動作(ADL)の改善を図る生活(維持)リハビリとしての通所・訪問リハビリの過程を併せて、アフターケアとしての全般的な生活再建を支援し、社会復帰を実現するノーマライゼーション(normalization)への支えの全てを包括したものを、広義の意味で「総合リハビリ」と呼ぶ定義と考えたいのです。

 老年医学においては、総合診療の概念は欠くべからざる考え方であり、総合リハビリ及び自立支援介護を実践する介護医療の進め方においては、将棋の飛車・角に匹敵する両輪のアイテムといえます。数あるリハビリの手法の中でも、今回、蘊蓄を傾けて語りたい領域は、お口のリハビリテーションの分野です。これは取りも直さず、虚弱な高齢・障害者の全身状態を改善・維持するために、必須の条件を作り出す重要な要因となっ て、栄養療法の大切さと直結するのです。また生きる上での最良の動機付けともなる食の愉しみを与えてくれる点でも、欠くべからざる要素に繋がるのです。脳卒中や頭部(脳)外傷の後遺症として発症することの多い嚥下障害やら、認知症の進行に伴う嚥下意欲の低下のために、摂食機能が損なわれると、栄養障害として全身の免疫力を蝕んで、外敵への抵抗力が落ち込んでしまうサイクルに入ってしまいます。また摂食能力が改善すると、リハビリ意欲の向上を喚起し、四肢・体幹の機能訓練の効果を劇的にアップさせる印象があります。食の歓びが活動力の煽動に通ずる理を利して、リハビリ効果を上げる手法はまさに理に適う段取りだと言えましょう。まずはお口のリハビリテーションこそが機能回復と社会(家庭)復帰の要となるのです。
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