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よもやま世間小噺(3) =自虐のお惚け点描A=

11月08日
 「認知症」という名称はどうもしっくりこないなあ〜という台詞があちこちから聞こえてきます。「呆け」と 呼ぶのがピッタリの馴染み深い可愛げのある言い回しだと思う感性をもつのは、筆者だけの独断と偏見でしょうかね。愛らしく親しみ易い存在だと捉えて、支えてあげたくなる対象になる呼称かと感じるのです。
 自虐的なお呆けエピソードは枚挙に暇がありませんが、頻繁に発生し易そうな出来事としては、瓦斯(ガス)コンロの火の消し忘れやら鍋焦がしでしょうか。瓦斯レンジの魚焼器となると、焔が目につき難い分、さらに頻繁に消し忘れが発生して、黒焦げと化した焼き魚の表面の炭を酒肴に、枡塩がわりで舐めながら、苦々しく根性晩酌を嗜むことを繰り返したものです。こんな趣向に馴染んでしまったら、風呂の湯溜に及んでは当たり前の如く、ガス湯沸かし連動の水道栓の締め忘れを繰り返して、マイコンメーターの休止装置の作動を招くことで、浴槽から溢れ出る冷水ばかりか、温水浴はおろか、水シャワーを浴びるような悲哀を、幾度となく経験したものです。

 必要以上に物品を買い集める収集癖のついた超コレクター現象に至っては、遠距離移動の旅行機会が増えた20年位前頃から、極端に目立つようになり、元来はバック趣味等はなかった筈の自分が、突如として次から次へと旅行用の超大型の鞄(キャリア・カート付)類やら、書類入れのショルダーバッグの数々、ハンドバッグ等々まで、爆買いを思わせる買いっぷりが発現したのでした。別に流行りを追い掛ける訳でもなく、通り掛かっただけの店で、ふと目に止まったお好み(?)の品を、衝動的に買い漁る現象に陥って、気付いた時には持て余す程の数となってしまい、売りに出せる程の品揃えになりました。宿舎の引っ越し作業の際に、我ながら嗚呼〜とビックリ仰天するような超大量のバッグ・コレクションとなっていたのでした。こうした衝動買いによる収集癖の対象となったのは他にはなく、単にバッグ類に留まったにすぎないのが、せめてもの救いだとはいえ、自滅・破産に繋がるまでの障碍には至りませんでした。

 こんなお呆け好爺々の端くれに堕してしまうと、例え三途の川からのお迎えが来ようとも、恥ずかしながら一連の葬送の儀式等は、到底望むべくもなく、ひっそりと骨も遺さず隠遁してしまう手法を妄想するようになるのです。富士の樹海を彷徨い歩いて行き倒れ、いつしか鳥や獣に身を啄まれて迷宮に堕ちるも佳し。熊野灘の海に身を沈めて、約束の極楽浄土の地と憧れる「補陀洛」を目指す即身成仏により、魚に身を啄んでもらいながら消え逝くことのできる「補陀洛渡海」という往生の仕方も、棄て難い成仏の手段として、見果てぬ妄想が果てしなく拡がるのです。年老いてからの終の棲処で、人生の終い方を冥想する刻は、何にも代え難い至高のエクスタシーを愉しめる時間を演出してくれます。見果てぬ夢の彼岸には、絶世の美魔女の添い寝の下で、セクシャル介護を渇望する艶(エロ)惚け妄想があって、さらにそれを超えるような究極のエクスタシーの幻想なんて到底望むべくもなく、限りある余命永劫の煩悩として、妄想し続けることになるでしょう。
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