医療法人 メディカルフロンティア

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蔵出し医療談義(4) =支える医療=

12月13日
 病気の成り立ちを考える時に、治癒を見込める疾病の病態と、そうはいかない慢性的疾患の病状の管理やコントロールをし続けるしかない疾病とに分けることができます。また脳卒中等による身体障害を抱えてしまった場合には、リハビリという身体機能回復訓練によって、日常生活動作の能力を取り戻そうと図る自助努力が強いられる状況にまで、深く落ち込んでしまうこともあります。他人任せの薬物治療法を続けるだけのことでは、到底生活情況の質(QOL)の改善は期待できないでしょう。また生活習慣病の治療という範疇においでは、薬云々の前に、生活環境(食&嗜好&日課等)を改善しようとする意思と自助努力が欠かせない要素となるでしょうし、その努力を精神面で支える周囲の陰ながらの協力態勢は肝要となります。他人任せや他人の為業にはできぬ領域となるのです。

 リハビリテーション医療の現場では、一般病院の急性期病棟での入院生活と比べても、日常の生活日課が厳しく設定され、起床時から就寝に至るまでの生活動作たるや、事細かに規定される中で、通常の自宅での生活導線を想定して、そのシミュレーションを再現するような機能訓練に導かれることになります。起床後の更衣〜洗顔〜体操〜食事〜訓練〜レクレーション〜(モグモグ・タイム(おやつ・間食)等々、一般的な入院患者(急性期疾患)の生活リズムとは違った療養パターンが要求されるのです。普通に寝衣を羽織ってベッド上で安静に過ごす時間ではなくて、食事もベッド上にあらず、食堂に出向き椅子に座って食べてもらうように誘導されます。そのためには室内普段着への更衣動作のトレーニングを重ねることにもなるのです。排泄もできるだけトイレ誘導を心掛けます。個別リハビリの組まれてない時間帯には、集団リハビリやレクレーション等のプログラムが計画されて、ぼんやりと休む間もなく、既定の日課を熟していきます。独居生活が想定されるのでなければ、炊事・洗濯・掃除こそ生活介護ヘルパーを導入するようなケアプランにより、支援の手を差し伸べることは可能ですが、リハビリ後の身体能力が高ければ、家事動作だって退院に向けたリハビリの仕上げとして、ADL訓練をカリキュラムに組み込む場合も考えられます。

 例え自宅に帰ろうとも、びっしりと過密な介護の週間スケジュールが組まれ、毎日慌ただしく、人攫い通所ケア・サービスで社会参加を促したり、押し売り訪問ケア・サービスで家庭復帰後の家庭内役割分担の確認等の御節介ケアのオンパレードとなり、お仕着せのケアプランにどっぷり浸かり切って、埋没し続けることになるのです。支えるための介護医療アイテムの隙間を縫うが如くやや控えめに、通院や訪問診療の窮屈な日程調整を相談することになります。今やお年寄りは超多忙さを極めながら、社会医療資源に支えられて、自立支援のアプローチの下、長寿社会劇場に立つ主人公を演じつつ、鮮烈な生き様を展開していくことになるでしょう。社会復帰支援や生活再建支援といった病める人々の入院療養生活からの脱却のみならず、回復過程を「支える医療」の在り方こそが、リハビリテーション医療の分野に限ることなく、我々全医療従事者に課された最も大切な守備範囲になるのだと思います。
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