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日本縦断グルメ漫遊記(4) =鯨肉食文化の地域差=

07月02日
 約半世紀程前はお徳用の食肉として、日常的に口にする機会の多かった鯨の肉料理が、いつのまにか縁遠い希少価値の高い存在と化して、めったに食することもなくなり、懐かしい郷愁を誘う食べ物に変貌してきました。鯨食文化の盛衰の中で、古来至極当たり前だった食用肉が、手に入り辛くなった背景には、国際的な拡がりで展開された反捕鯨運動の過激な妨害活動がありました。

 日本にも馴染みの深い団体として暴れ回り、一躍名を轟かせていた「Green Peace(グリーンピース)」&「Sea Sheperd(シーシェパード)」の主張が、国際捕鯨委員会(IWC)の会議で採択されて、商業捕鯨が禁止され、以来調査捕鯨という形で、細々と捕獲が続けられました。ここ1年間は鳴り物入りで排他的経済水域(EEZ)に限られた海域での商業捕鯨が賑々しく復活してはいましたが、1960年代の最盛期の捕獲量(23万トン)と比べると、約50倍以下(5千トン)程度にすぎず、激減した中での鯨肉販売となっていました。それは消費の需要自体が減じているからに他ならず、その要因として語られるのが、若年層の鯨肉離れという現実が厳然として隠れているからのようです。普段食べ慣れていない肉の臭みが障碍になるようですね。海のジビエ(野生鳥獣肉)とも喚ばれる特異性が未だ標準化できてないのでしょう。

 依って数ある鯨料理の中でも、全国共通の人気を誇るのが、「鯨の竜田揚げ」と呼ばれる揚げ物で、学校給食の定番惣菜メニューの中でも、断突の人気を誇るおかずだと思われます。カラッと揚がった衣の味付けの旨さこそが、給食で体験した世代に共通するノスタルジックな感傷を醸し出すのでしょうね。また標準的な牛豚鶏肉と違って、比較的好き嫌いの多い食材のようなのですが、調理の仕方は多種多様の工夫がなされ、郷土色の濃い調理法が定着して、食べ継がれているのです。

 生食(赤身・霜降り鹿の子肉)以外に、燻したベーコン等は全国共通の出荷品ですが、塩漬け肉の煮物や味噌味仕立ての汁煮物(鯨汁)については、調理法や味付けに地域差が現れるようなので、好みも様々あるようです。鯨肉の缶詰も標準的に市場に出回っている商品ですね。さらに脂身のさらし鯨の酢味噌和えも比較的全国標準の調理法といえますが、湯引き料理となると、古今東西(南北)での地域差が表れてくるようです。鯨赤身のステーキとしての単純な調理法にも、塩胡椒のみならず、生姜・大蒜等による濃い味付けが、標準的に好まれるようです。

 比較的シンプル且つアッサリした食べ方をできるのが、刺身感覚の赤身刺ですが、それ以上に刺身感覚で単純にポン酢に付けて食す湯引き料理(畝・さえずり等)が鯨食の中では、最も高級品とされる食材となって、酒の肴に珍重される所以です。さらに鯨肉の鍋料理として、古来からの一般名である「ハリハリ鍋」以外に、最近では進化した調理法として「鯨しゃぶしゃぶ」の食べ方も現れ、希少価値のある料理となって、一部地域では絶品の名物料理に昇華し、絶大な人気を博しています。
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